モアグループ

モアグループは、無店舗型性風俗関連特殊営業を展開する企業グループの総称である。2000年創業、本部を神奈川県横浜市中区に置き、関東圏を中心にデリヘル(デリバリーヘルス)店舗を多数運営している。特に「待ち合わせ型デリヘル」「人妻風俗」という業態を早期に確立し、業界における大手グループの一つとして知られる。2024年3月時点で従業員数453名、在籍コンパニオン数3,883名、直営店舗約60店舗を展開している。

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概要

モアグループは複数の関連企業で構成される企業グループであり、各社が独立した法人格を持ちながら共通のブランドと運営ノウハウを共有している。主力ブランドとして「人妻城」「人妻花壇」「丸妻」「人妻援護会」「巨乳専科パンチラボイン」などを展開し、20代から50代まで幅広い年齢層の女性が在籍している。

グループの特徴として、いわゆる「待ち合わせ型デリヘル」の先駆的存在であることが挙げられる。これは顧客が指定した駅やホテル周辺でコンパニオンと待ち合わせを行い、そこからラブホテルや顧客の自宅に向かうシステムであり、従来の「送迎型」とは異なる営業形態である。2026年現在、この待ち合わせ型システムは風俗業界において標準的な業態の一つとなっている。

グループ全体で独自のポイントシステム「モアポ」を運営しており、会員数は約30万人に達する。このポイントシステムは1ポイント=1円として利用金額に応じて自動的に付与され、グループ加盟店全店で利用可能である。

沿革

創業期(2000年代初頭)

モアグループの創業は2000年5月である。創業者らが最初の店舗を開業した際、当時の風俗産業においてはすでにデリヘル(デリバリーヘルス)という業態は存在していたものの、「待ち合わせ型」や「人妻専門」というコンセプトは一般的ではなかった。

創業当初はわずか2名の社員体制からスタートしたが、待ち合わせ型という新しいビジネスモデルと人妻系というターゲット層の明確化により事業を拡大した。待ち合わせ型デリヘルは、固定の待機所を持たないため物件コストを抑えられること、コンパニオンと顧客が待ち合わせする形式によりデート感覚を演出できることなどが特徴である。

拡大期(2010年代)

2010年代に入ると、モアグループは積極的な店舗展開を進めた。東京都内を中心に神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県など関東一円に店舗網を拡大し、各地域で「人妻城」「人妻花壇」などのブランドを展開した。

また、この時期には社員の独立支援制度を活用した分社化政策が進められた。意欲的な社員に対して独立の機会を提供し、独立した社員が新たに法人を設立してグループ内で店舗を運営する形態が取られた。この結果、モアグループは単一企業ではなく複数の関連企業から構成される企業集団となった。

2019年時点で店舗数は約60店舗に達し、従業員数も300名を超える規模となった。この成長過程において、グループは「チャレンジすることを楽しめるグループ」という企業理念を掲げ、新規事業やマーケティング手法の開発にも積極的に取り組んだ。

現在(2020年代)

2024年3月現在、モアグループは従業員数453名、在籍コンパニオン数3,883名という規模に成長している。直営店舗約60店舗を関東圏を中心に展開し、風俗業界の大手グループの一角を占めている。

2026年2月現在、グループは引き続き主力ブランドである「人妻城」「人妻花壇」の全国展開を視野に入れた事業拡大を進めている。また、デジタルマーケティング分野にも注力しており、グループ専用の情報サイト「モアグループNAVI」や会員向けポイントシステム「モアポ」の運営を通じて顧客基盤の強化を図っている。

事業内容

主要事業

モアグループの主要事業は無店舗型性風俗特殊営業の経営である。具体的にはデリヘル(デリバリーヘルス)店舗の運営が中心である。風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)に基づき、営業開始10日前までに所轄警察署へ営業開始届出書を提出する届出制の事業である。

事業内容は以下の通りである。

  • 無店舗型性風俗特殊営業の経営
  • 性風俗店経営に関するマーケティング、コンサルティング
  • 風俗情報サイトの制作、開発、運営
  • フランチャイズ事業の展開

主要ブランド

モアグループは複数のブランドを展開しており、それぞれ異なるコンセプトと価格帯を持つ。

人妻城
グループの主力ブランドの一つ。20代から50代まで幅広い年齢層の既婚女性が在籍し、「人妻」というコンセプトを前面に出している。関東各地に「池袋人妻城」「横浜人妻城」「西川口人妻城」など地域名を冠した店舗を展開している。

人妻花壇
人妻城と並ぶ主力ブランド。同様に人妻系のコンセプトで、関東各地に「錦糸町人妻花壇」「柏人妻花壇」「川越人妻花壇」などを展開している。料金システムや在籍女性の傾向は店舗により異なる。

丸妻
「丸ごと人妻」をコンセプトとしたブランド。比較的リーズナブルな価格帯で人妻系サービスを提供している。「丸妻錦糸町店」「丸妻横浜本店」「丸妻西川口店」などがある。

人妻援護会
恵比寿を中心に展開するブランド。やや高価格帯のサービスを提供している。

巨乳専科パンチラボイン
ボディスタイルに特化したコンセプトのブランド。

営業システム

モアグループの店舗は大きく分けて「待ち合わせ型」と「送迎型」の二つのシステムを採用している。

待ち合わせ型
顧客が指定した駅やホテル周辺でコンパニオンと待ち合わせを行い、そこからラブホテルや自宅に向かうシステム。恋人同士のようなデート感覚を演出できることが特徴である。待ち合わせ後に移動する時間もサービス時間に含まれる場合と含まれない場合があり、店舗により異なる。

送迎型
顧客の自宅や宿泊先のホテルに直接コンパニオンが訪問するシステム。従来型のデリヘル(デリバリーヘルス)の基本形態である。

料金システム

グループ各店舗の料金体系は店舗により異なるが、一般的な料金例として以下のような設定がされている。

  • 60分:9,900円~16,000円程度
  • 80分:14,000円~20,000円程度
  • 100分:16,000円~24,000円程度
  • 120分:19,000円~28,000円程度

これらの基本料金に加えて、本指名料(通常2,000円程度)、写真指名料(通常1,000円程度)、交通費などが別途発生する場合がある。

モアポイントシステム

モアグループ独自の会員制ポイントシステムが「モアポ」である。2026年現在、約30万人の会員が登録している。

システム概要

  • 新規入会登録で1,000ポイントをプレゼント
  • 利用金額に応じて自動的にポイントが付与される
  • 1ポイント=1円として1,000ポイント単位で利用可能
  • グループ加盟店全店で利用可能
  • ポイントの有効期限は最終発行日から一定期間

このポイントシステムはグループ全体の顧客囲い込み戦略の中核をなしており、リピーター獲得に貢献している。

フランチャイズ・独立支援事業

モアグループは「e4u」という名称でフランチャイズ事業も展開している。既存店舗の運営ノウハウやブランド力を活用し、新規開業希望者に対して以下のような支援を提供している。

  • 開業前研修・指導
  • 店舗運営マニュアルの提供
  • 集客支援(グループ公式サイトを見てみるの掲載など)
  • コンパニオン募集支援
  • 経営コンサルティング

また、グループ社員に対する独立支援制度も整備されており、優秀な社員が独立して新たにグループ内企業を設立するケースも見られる。

組織・人事制度

従業員構成

2024年3月時点で従業員数は453名である。職種としては以下のような構成となっている。

店舗スタッフ(内勤)
電話受付、コンパニオンの管理、顧客対応、スケジュール調整などを担当する。風俗男性求人においては「一般職」「スタッフ」などの名称で募集されることが多い。

店長・幹部候補
店舗運営全般を統括する管理職。売上管理、イベント企画、コンパニオンケア、スタッフ指導などを担当する。

本部スタッフ
人事、経理、マーケティング、システム開発など本部機能を担当する。

雇用形態・待遇

モアグループでは主に以下の雇用形態がある。

正社員

  • 月給制(店舗スタッフ:月給30万円~、店長・幹部候補:月給40万円~)
  • 社会保険完備
  • 昇給・昇格年2回
  • 交通費支給(上限3万円程度)
  • 年間休日105日程度
  • 独立支援制度

コンパニオン

2024年3月時点で3,883名のコンパニオンが在籍している。年齢層は18歳(高校生不可)から50代まで幅広く、主婦や既婚女性が多いとの評価がしばしば見られる。

法的背景と規制

風営法に基づく規制

モアグループが運営するデリヘル(デリバリーヘルス)は、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)における無店舗型性風俗特殊営業(風営法第2条第6項第1号)に該当する。

届出義務
無店舗型性風俗関連特殊営業を営もうとする者は、営業開始の10日前までに、事務所の所在地を管轄する公安委員会(所轄警察署経由)に対して「無店舗型性風俗特殊営業営業開始届出書」を提出しなければならない(風営法第31条の2)。

営業所の禁止区域
学校、児童福祉施設、病院、診療所、図書館などの周囲200メートル以内の区域においては営業所の設置が禁止されている(風営法第28条、同法施行令第18条)。

広告規制
18歳未満の者に対する広告の禁止、誇大広告の禁止などの規制が存在する(風営法第31条の8)。

年齢確認義務
未成年者(18歳未満)をコンパニオンとして雇用することは禁止されており、年齢確認義務が課されている。

罰則
無届営業の場合、6か月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科となる(風営法第49条)。

売春防止法との関係

日本においては売春防止法により売春(性交渉を対価として金銭を受け取る行為)そのものは禁止されている。モアグループが提供するサービスは、あくまでも性的サービス(フェラチオ素股など)であり、本番行為(性交渉)は禁止されているとされる。

しかし、実態として本番行為が行われているケースも存在するとされ、業界全体の課題となっている。各店舗は建前上、本番行為を禁止する旨を明示しているが、個々のコンパニオンと顧客の間で行われる行為の管理には限界がある。

職業安定法との関係

スカウト行為による女性の紹介は職業安定法違反(有害業務目的職業紹介)に該当する可能性がある。2026年2月には大阪府警がスカウトグループ「トラス」のトップらを職業安定法違反容疑で逮捕する事案が発生しており、風俗業界全体でスカウト問題への対応が求められている。

2025年風営法改正の影響

2025年に施行された風営法改正では、ホストクラブや性風俗店に対する規制が強化された。特に色恋営業の禁止、料金の虚偽説明の禁止などが明文化され、罰則も引き上げられた。これにより業界全体でコンプライアンス意識の向上が求められている。

業界内での位置づけ

市場規模と競合

日本の風俗産業の市場規模は約5兆円とされる。その中でデリヘル(デリバリーヘルス)は大きなシェアを占めている。

関東圏においては、モアグループのほかにYESグループ恋愛グループ東京リップグループスターグループハレンチグループ秋葉原コスプレ学園(秋コスグループ)など複数の大手グループが存在し、競合している。

業界団体との関係

風俗業界には一般社団法人日本風俗産業協会などの業界団体が存在し、適正な営業の推進、法令遵守の啓発、自主規制基準の策定などを行っている。大手グループの多くはこうした業界団体に加盟し、業界全体の健全化に協力している。

風俗情報サイトでの展開

モアグループはシティヘブン、風俗じゃぱん、デリヘルタウンなどの大手風俗情報サイトに各店舗の情報を掲載している。また、グループ独自の情報サイト「モアグループNAVI」も運営しており、在籍女性のプロフィール、料金システム、イベント情報などを発信している。

社会的課題と論点

女性の労働環境

風俗産業における女性労働者の保護は重要な社会的課題である。モアグループを含む大手グループでは、コンパニオンの安全確保のため以下のような対策を講じているとされる。

  • 暴力的な顧客のブラックリスト化
  • 緊急時の連絡体制の整備
  • 性感染症(性病)予防の啓発
  • 定期健康診断の推奨

ただし、業務委託契約であるため、労働基準法の保護対象外となる点は課題として指摘されている。2024年施行のフリーランス保護新法により、業務委託契約における報酬支払いの明確化などが義務付けられており、風俗業界にも影響を与えている。

スカウト問題

2026年になって風俗業界では大規模なスカウトグループの摘発が相次いでいる。2026年2月には大阪府警がスカウトグループ「トラス」を摘発し、全国約1,800店舗との取引があったとされる。このようなスカウト問題は業界全体の課題であり、適正な求人活動が求められている。

業界再編の動き

2026年に入り、性風俗業界では大手グループの突然の閉店が相次いでいる。マリングループ(DOLCE、京都、KiSeKi、エピなど)が全店閉店を発表するなど、業界再編の動きが活発化している。背景にはスカウト問題の摘発強化、法規制の厳格化、社会的な批判の高まりなどがあるとされる。

このような環境変化の中で、モアグループを含む大手グループには、法令遵守体制の強化、適正な労働環境の整備、社会的責任の遂行がより一層求められている。

関連項目

脚注・出典

  1. モアグループ正社員採用サイト – グループ概要
  2. FENIXJOB – モアグループ徹底取材
  3. モアグループNAVI 公式サイト
  4. モアポ会員ページ
  5. e4u風俗フランチャイズ – モアグループ
  6. 風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律) – e-Gov法令検索
  7. 売春防止法 – e-Gov法令検索

外部リンク


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