ガールズバー

ガールズバーとは、バーテンダーが女性中心のショットバーである。カウンター席に着席する客と相対する形で、カウンター内にいる女性従業員が接客する営業形態を持つ。風俗営業ではなく飲食店に分類され、深夜営業を行う場合は深夜酒類提供飲食店営業の届出を行うことで午前0時以降も営業が可能となる。2004年に東京都八王子市で誕生したとされ、2006年以降に全国の繁華街へと急速に拡大した。

目次
[CM求人動画] シンデレラFCグループ
男女正社員/アルバイト 募集中

<東京|神奈川|埼玉>
👉詳細は公式サイト「幹部ナビ」をチェック👈

概要

ガールズバーは、女性従業員がカウンター越しに接客を行う飲食店である。風営法で規制されるキャバクラのように従業員が客の隣に座ったり、タバコの火を点けるなどの接待行為は行わないことが建前とされている。

基本的な営業形態は、カウンター内に立った女性従業員が酒類を提供し、カウンター越しに会話を楽しむというものである。この形態により、風営法上の風俗営業許可を取得せずに営業することが可能とされており、深夜酒類提供飲食店営業の届出を行えば深夜0時以降も営業が可能である。

歴史と発展

発祥

ガールズバーの起源については諸説あるが、現在の営業形態とガールズバーという名称の発祥として最も有力視されているのは、2004年3月に東京都八王子市に開店した「girls bar Mcorols(ガールズバーエムカラーズ)」である。同店の女性オーナーが考案した営業システムと名称は、風俗営業許可を必要としない形態として業界に革新をもたらした。

ライターの大脇克浩によると、2002年に上野にオープンした「サーカス」というカウンターパブでは、すでにカウンター越しに女性が接客するサービスが提供されていたが、ガールズバーという名称は使用されていなかった。評論家の荻上チキは、2003年頃から人気になったと述べている。

急速な拡大

『フードリンクニュース』によれば、店舗数が急速に増加したのは2006年夏である。2006年頃には大阪をはじめ、東京や名古屋などの大都市圏の繁華街に多く出店がみられるようになり、2011年時点では全国広範囲に広がっている。

この急速な普及の背景には、2005年前後の風営法と各自治体条例によるキャバクラなどへの規制強化があった。風俗営業許可店であるキャバクラは午前0時以降の営業ができないが、深夜酒類提供飲食店営業として届け出たガールズバーは終夜営業が可能であるため、キャバクラからの業態変更も起きている。

営業形態と法的位置づけ

風営法上の分類

ガールズバーは基本的に風俗営業には該当せず、一般的な飲食店として扱われる。深夜0時から午前6時までの時間帯に酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要となる。

ただし、カウンター越しの接客であっても、特定の客と継続的に談笑したり、客の隣に座って接客したり、カラオケでデュエットするなどの行為は風営法上の「接待」に該当する可能性があり、無許可営業として摘発の対象となる。

必要な許可・届出

ガールズバーの営業には、以下の許可・届出が必要となる。

許可・届出の種類対象となる営業形態営業時間の制限
飲食店営業許可すべてのガールズバーなし(深夜を除く)
深夜酒類提供飲食店営業届出午前0時以降に酒類を提供する店舗なし(終夜営業可能)
接待飲食等営業許可(1号許可)接待行為を行う店舗午前0時まで

接待行為の定義と境界

風営法上の「接待」とは、「歓楽的雰囲気をかもし出す方法により客をもてなすこと」と定義されている。具体的には以下のような行為が接待に該当する可能性がある。

  • 特定の客の隣に座って継続的に談笑すること
  • 客とカラオケでデュエットすること
  • 客の身体に接触すること(握手など社交儀礼上のものを除く)
  • 客に対して歌やダンスなどのパフォーマンスを見せること

カウンター越しの接客であっても、これらの行為を行えば接待と判断される場合がある。2008年10月には、警視庁が東京都新宿区歌舞伎町のガールズバーを風俗営業許可を取らずに接待行為を行ったとして摘発した事例があり、その後も同様の摘発が続いている。

料金システムと利用方法

基本料金体系

ガールズバーの料金は店舗によって異なるが、一般的に以下のような体系となっている。

時間制料金

多くのガールズバーは時間制を採用しており、1時間あたり2,000円から4,000円程度が相場である。都心部では3,000円から5,000円程度の設定が多い。

ドリンク料金

自分のドリンク代は500円から1,500円程度。従業員へのドリンク代は500円から1,000円程度が一般的である。シャンパンやワイン(ボトル)は5,000円から20,000円程度となる。

その他の料金

  • サービス料:合計金額の10%から20%程度
  • 指名料:特定の従業員を指名する場合
  • カラオケ代:無料の店舗もあれば別途料金の店舗もある
  • ダーツ代:1回100円程度
料金項目相場備考
セット料金(1時間)2,000〜4,000円都心部は3,000〜5,000円
自分のドリンク500〜1,500円飲み放題の場合もあり
従業員へのドリンク500〜1,000円
サービス料合計の10〜20%店舗により異なる
指名料500〜1,000円システムがある店舗のみ

利用の流れ

一般的な利用の流れは以下の通りである。

  1. 入店してカウンター席に着席
  2. 時間制またはフリータイムを選択
  3. 自分の飲み物をオーダー
  4. カウンター越しに女性従業員と会話
  5. 希望に応じて従業員へのドリンクをオーダー
  6. 退店時に会計

店舗の多様化とコンセプト

様々な店舗タイプ

ガールズバーは多様なコンセプトを持つ店舗が展開されている。

  • コスプレ系

メイド服、女子高生風、アニメキャラクターなどのコスプレ衣装を着用した従業員が接客する。コンセプトカフェの要素を取り入れた店舗も多い。

  • 和風

和風の内装で、女性従業員も和服姿で接客する。

  • スポーツバー風

従業員がサッカーや野球などのユニフォームを着用し、スポーツ中継を大画面で放映する。特定のスポーツチームを応援する店舗もある。

  • カジノバー風

カジノテーブルを設け、従業員や客同士でゲームができる。

  • セクシー系

水着や露出度の高い衣装を着用した従業員が接客する店舗。ただし、過度な接触サービスを行う場合は性風俗関連特殊営業に該当する可能性がある。

労働環境と雇用形態

給与体系

ガールズバーで働く女性従業員の給与は、主に時給制が採用されている。2026年時点での平均時給は約2,376円とされており、1日5時間、週4日勤務した場合の月収は約190,000円程度となる。

時給はドリンクバック(客が従業員にドリンクをオーダーした際の報酬)により変動する店舗が多く、実際の収入は接客スキルや人気度により大きく異なる。

勤務時間と雇用形態

多くの店舗ではアルバイト・パートとしての雇用形態が一般的である。勤務時間は店舗により異なるが、17時から翌5時の間で、週1回から自由にシフトを組める店舗が多い。

深夜営業を行う店舗では、18歳以上の従業員のみが勤務可能である。未成年者を深夜に働かせた場合、労働基準法違反となる。

業界の課題と法的問題

無許可営業と摘発事例

2008年10月、警視庁は東京都新宿区歌舞伎町のガールズバーを、風俗営業許可を取らずに接待行為を行ったとして摘発した。これは風営法違反によるガールズバーの初の摘発事例となった。

その後も、新宿歌舞伎町や大阪市中央区宗右衛門町などの繁華街で、接待行為を理由とした摘発が続いている。

2025年6月28日に施行された改正風営法では、無許可営業の罰則が大幅に強化され、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、法人の場合は最大3億円以下の罰金が科されることとなった。施行初日にも新宿歌舞伎町のガールズバーで無許可営業が行われていたとして経営者が逮捕された。

未成年者の労働問題

18歳未成年の従業員を深夜に勤務させたことで、労働基準法違反として摘発される事例が発生している。兵庫県神戸市では、18歳未満の少女を深夜に勤務させたとして、店舗経営者が逮捕された。

また、16歳の少女を下着・ビキニ姿で就業させたことを問題視され、労働基準法違反で店舗が摘発された事例もある。

ぼったくり問題

大阪ミナミなどの繁華街では、ぼったくり営業を行うガールズバーが複数存在し、支払いを拒否した客に対して暴力を用いて支払いを強いるなどの事件が多発している。2018年には大阪府警察が半グレグループが経営する店舗経営者ら多数を逮捕している。

客引き行為

ガールズバーではキャバクラと違って客引きによる呼び込みが規制されていないため、繁華街や駅前などで客引きが行われていることがある。ただし、自治体によっては迷惑防止条例により客引き行為が規制される場合がある。

キャバクラとの比較

ガールズバーとキャバクラは、女性従業員が接客する飲食店という点では共通しているが、以下のような違いがある。

項目ガールズバーキャバクラ
接客スタイルカウンター越し客の隣に座る
法的分類飲食店(深夜酒類提供飲食店営業風俗営業接待飲食等営業1号)
営業時間制限なし(深夜営業可能)午前0時まで
料金相場1時間2,000〜4,000円1時間5,000円以上
服装カジュアル・制服ドレス

関連分野の基礎知識

ガールズ居酒屋

ガールズバーとほぼ同時期に、ガールズ居酒屋という形態の店舗が誕生している。大脇克浩は2009年8月の時点で「かれこれ4年ほど前に誕生し」と述べているため、2005年頃が発祥と考えられる。

ガールズ居酒屋は、居酒屋のホール担当をすべて女性店員としたものであり、店舗のコンセプトによっては露出度の高い衣装を着たり、客との会話などの接客、店によっては女性店員によるライブやダンスなどのパフォーマンスが行われる。料金は大衆居酒屋よりも割高となっている。

コンセプトカフェとの関係

2000年代後半以降、コンセプトカフェの人気が高まる中、メイド喫茶のバータイプやコスプレバーなど、ガールズバーとコンセプトカフェの要素を融合させた店舗が増加している。

深夜営業と法規制

深夜酒類提供飲食店営業とは、午前0時から午前6時までの時間帯に酒類を提供する飲食店が対象となる営業形態である。この営業形態は許可制ではなく届出制となっており、所轄の警察署に届出を行うことで深夜営業が可能となる。

ただし、深夜酒類提供飲食店営業として届出を行っている店舗では、接待行為を行うことはできない。接待行為を行う場合は、風俗営業許可(接待飲食等営業1号)を取得する必要があり、その場合は午前0時以降の営業ができなくなる。

風営法改正の影響

2025年6月28日に施行された改正風営法では、接待飲食等営業に対し、より具体的で厳格な遵守事項・禁止行為が新設されている。無許可営業の罰則も大幅に強化され、個人の場合は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、法人の場合は最大3億円以下の罰金が科されることとなった。

この改正により、ガールズバーの営業においても、接待行為に該当する可能性のある行為に対する取り締まりが厳格化されている。

脚注・注釈・出典

  1. Wikipedia「ガールズバー」https://ja.wikipedia.org/wiki/ガールズバー (2026年2月閲覧)
  2. AllAbout「最新! ガールズバー事情」大脇克浩、2008年3月12日 https://allabout.co.jp/gm/gc/208003/
  3. フードリンクニュース「昼キャバ、ガールズバーの台頭でライト化するナイトビジネス」2006年10月20日
  4. 荻上チキ『セックスメディア30年史 欲望の革命児たち』筑摩書房、2011年、241頁
  5. 産経新聞「ガールズバー、無許可営業で初摘発 新宿・歌舞伎町」2008年10月27日
  6. TMI総合法律事務所「令和7(2025)年改正風営法の概要」2025年 https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2025/17558.html
  7. TRUST行政書士事務所「【2025年施行】改正風俗営業法のポイントとは?」2025年 https://www.trust-gyosei.com/revised-adult-entertainment-business-act-2025/
  8. さつき行政書士事務所「風営法の許可・届出の種類を整理|1号許可が必要な「接待」の具体例」2026年1月18日 https://satsuki-gyoseioffice.com/2026/01/18/fueihou/
  9. グラディアトル法律事務所「風営法の「接待」とは?解釈基準・判例に照らして分かりやすく解説」https://www.gladiator.jp/fuzoku-komon/風営法の「接待」とは?接待の定義と弁護士の経/
  10. とある行政書士事務所「どこからが接待行為なの?深夜酒類飲食店が注意しておきたいポイント」https://toaru.tokyo/entertain/
  11. e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122
  12. Chocolat「ガールズバーの仕事の年収・時給・給料情報」https://chocolat.work/salary/biz_2/
  13. 厚生労働省「社交業のみなさまへ」https://www.mhlw.go.jp/content/000763275.pdf
  14. 帝国データバンク「2024年上半期『バー』『キャバクラ』等の倒産47件 過去10年で最多」2024年 https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198784_1527.html
  15. NEC「飲食店における風営法とは?罰則や申請手続きを詳しく解説」https://jpn.nec.com/mobile-pos/column/column0128/index.html

関連項目

外部リンク

目次